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ペットのアゲハ 盆栽展


 
盆栽写真
クロマツといっても幹肌が赤褐色または灰褐色でなめらかで荒れていないのは若い木なのです。
年を重ねるとバリバリの肌になってきます。
そしていろいろの産地のクロマツを栽培してみると、樹皮が深く大きく荒れてくるものと、薄皮が幾重にも積み重なって割れてくるもの、亀甲形に割れてくるもの、その個性がいろいろと有ります。
深く大きく有れてくるものが良い性だと言われています。
三河の三州クロマツがその代表として割合と短年月で荒れすいのです。
しかし、小品盆栽は木が小さいのでそのままでは無く、もっと良くなるものがありそうです。

盆栽写真拡大
特別出品のクロマツがすごいです。
小品盆栽としては、幹肌が小割れした方がバランス良くこのようなクロマツの産地は九州・山陰・瀬戸内といった所が言われます。
枝の分岐や葉の大きさと自分に合うものは是だとは一概に決め付けられません。
自宅近くのクロマツが思わぬ良性かもしれません。

神・舎利作り
小品盆栽に神・舎利を作り込むのは槙柏に付けるのが最近の傾向であるが、神・舎利の腐れ込みが早いので私は薦められない。
しかし、松はヤニがあり神・舎利は趣のあるものが作れるのでお奨めと考えています。
過酷な生育を表現するものでバランスを取るのにも神・舎利は有効です。
どのような神・舎利を作るかは彫刻という技術で作業も面白いものであります。
木の生き様を表現するという事で、高山で目にする大自然の過酷な環境で付いたキズを思い浮かべそれを彫刻するのです。
一度に完成まで作り込まないで先ず皮を剥ぎ取ります。
皮を剥ぐことで上部との生命が断ち切られることになりますから、部分的に剥ぎ残したい上部への皮は残すのです。
剥ぐ時の注意として、樹木の皮は篩管が真っ直ぐに繋がっていますので、部分的であってもラセン形に剥ぐと篩管が全て断ち切られることになるので枯れてしまいます。
どうしてもラセン剥ぎをしたいときは、木をねじるか長年を掛けて少しづつラセン剥ぎします。

皮を剥ぎ取りヤニが固まってから木部を彫刻します。
枯れ朽ちたように表現しますが、年輪を無視したような細かい彫刻はあまり長持ちしません。
朽ちたように枝先をむしり取ったり幹をえぐり込んだりします。
彫刻の施し方は先のように自然界で朽ちていく法則に従います。
柔らかい所から硬い所へと年輪に沿うような形で朽ち風化していきます。
年輪が蜜で硬化した芯の部分を残して朽ちていきます。
このような事を意識してあたかも自然に朽ちた様を表現します。
緻密な彫刻を施した舎利を持った盆栽は何の変哲も無かった時に比べて自然のドラマを持った盆栽になります。

松は若い幹でも樹脂によって比較的長持ちするので神・舎利作りという遊び心も楽しめます。
生きた部分の成長によって舎利の部分が引っ張られてソリが出て形の変化も起こるものです。
間延びした幹に舎利を作るとガラリと変身するものです。
自然には創造も付かないような樹形が沢山あります。
盆栽として分類している樹形に収まらない形がいろいろとあります。
形にはめてしまっては面白いものが出て来なくなるのかもしれません。

針金をかけながら、剪定もする。
この時は.実のつきそうもない弱い枝を元葉から7-8㎝のところで切・っていく。
もちろん、枝わかれを二叉二叉にもっていくのが基本。
針金を枝にかけ終えたら、すぐに枝を下垂させる。
曲げる時には、1か所で曲げず、1本の太い検を3か所くらいにわけて、曲げるといい。
紫式部の枝は、中が空洞でストロー状になっているから、折れやすいために何か所かにわけて、下げるのだ。
また、曲げて下げる時に、葉の裏面が見えるようになっても、心配する必要はない。
無理に葉をひわって表面を見せる必要もない。
裏面のままでも、整姿後2~3Rもすれば、葉が光を求めて、自然に表面が見えるようになる。
いかに植物に光が大切であるかが、よくわかる。

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