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 盆栽展


 
盆栽写真
五葉松です。
五葉松は成長が遅いので一旦出来上がった形を長く崩さずに持ち込むことが出来ます。
第一に葉を見て選びましたが、次に芽掛けの良い木を選びたいと思います。
小さく育てると一本の枝先からは一本しか芽を出さないことが多くなります。
一本の芽は切り難く毎年それが伸びるだけとなり勝ちです。
徐々に間延びしてしまうのです。
芽数が多いと剪定して形を保つのが容易なのです。

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五葉松がすごいです。
五葉松は幹が古くなりにくく、すべすべの若い幹のままなのです。
南の五葉松は荒れ易く、北の五葉松は荒れ難いのです。

あるとき、盆栽家は地方に出かけたときかなり持ち崩された五葉松を見つけました。
葉に力が無く、不健康な状態ですぐに手入れをする事などとても出きる状態では無かったのです。
そんな木でも盆栽家は買い入れました。
この木を人目見たときに五葉松の新しい構図が頭の中に出来ていました。
古くて時代のある五葉松だ。
五葉松の木肌は一部の性質を除いて味のある木肌がなかなか乗ってこない。
時の流れが最も重要な五葉松にとってこの五葉松に有ると判断したのです。
しかし、これだけの素材がなぜ放置されていたのだろうか。
枝を掻き分けて見てもキズも手入れの跡も見られない。
恐らく木の形が気に入らなかったのではないだろうか。
盆栽は何人もの人手を経由して出来上がるものなのです。
苗木を作る人が作り上げても時代が来る前に作家の寿命が尽きるのです。
何人かの人手を渡る間に磨かれると同じに時代が乗ってくるのです。
この木も根張りが片根で枝振りも不自然なのです。
盆栽の正面の見極めとそれに従った自然な流れを表現する事で格段の上昇が見込まれたからでした。
しかし、皮算用というべきか考え通りに行く訳でもない。
自分も樹も痛い思いを味わう結果に成る事も多く、厳しい事でもあります。
ここで、樹を大切にする人は少しづつ樹の成長具合を見ながら整枝します。
強い人は一気に作り上げます、枯れる割合が多くても成功する数も多くなります。
経済論としてはどちらが良いとも言えないでしよう。
素材が少なくなっている状態ではできるだけ枯らさない方法を取って貰いたい者です。
時の流れが最も重要な五葉松に対しては、見て楽しみながら改作する方法が取られました。
3年後にまた理想に近づける改作を行なうことになる。

枝振りを下から覗くと、枝先は一つとして直線は無く曲を描いている。
間延びしたものを纏めたか人目で分る。
針金掛けは下の枝から始め枝順に従って上に昇り樹冠部を仕上げた。
樹冠部は丸く古い樹を表現している。
自然の木は若いときは先端が尖っているが古樹は先端が丸くなり先端から枯れてくる。
神社の大木で先端が枯れた樹を見かけた方も多く居るでしょう。

正しい考え方。
「始めに光ありき」という言葉があるが、私は別に宗教を言うのではない。
植物生理の基本はあくまで光合成にあるのである。
植物が水と炭酸ガスを吸収し、太陽光線のエネルギーをかりてブドウ糖を作る。
これを、 「炭素同化作用』または「炭酸同化作用」と呼び、光合成の第1段階である。
こうして出来たブドウ糖に、根から吸収された窒素が加わり、核酸や蛋自質を作るのである。
これを 「窒素同化作用」と呼び、光合成の第2段階である。
この2つを合わせたものが、本当の光合成なのである。
こう考えると、窒素が幾ら吸収されても.前段階の「炭酸同化作用」が行なわれていなけれぱ、窒素は吸収されても、意味はないのである。
落葉する雑木などは、芽の出る前に幾ら肥料をやっても、葉がないから、「炭酸同化作用」は行なわれず、ブドウ轄は出来ない。
この状態で肥料をやっても、それは意蛛がないから、 「芽出し肥え」という喬葉は適当ではないのである。
これこそ我々が、枝枯れ病を考えるとき、まず念頭に置かなけれぱならない第1の問題でおる。
始めに述べたように、①の綱菌も②の蘭類も植物である。
そして、植物の「栄養は蜜素」である。
植物が病気などで弱っているときは、葉が作用する「炭酸同化作用」は旺盛ではない。
つまリブドウ糖の生成は少ないのである。
このような状態のときに肥料を多く施すと、吸収された窒素は「窒素同化作用」が充分に行なわれないから、※「生」のまま、枝葉のなかに存在することになる。
(注※ ここで「生」と述べたのは、無機の形で吸収された窒素が、本来なら同化されて有機になるのだが、同化されずに無機のまま存在するという。
)。

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